📦「数量」や「権利」の不適合はなぜ通知期間がないの？【契約不適合責任の例外】

「契約不適合責任における通知期間制限（民法566条）」が数量や権利の不適合には適用されない理由と、そのときの扱いを、行政書士試験対策として具体例つきで解説します👇

❓ まず前提から！民法566条とは？

民法566条ではこう定めています👇

✅ 民法566条（通知の制限）

売主が種類または品質について契約の内容に適合しない目的物を引き渡した場合、買主はその不適合を知ってから1年以内に通知しないと、
追完・代金減額・損害賠償・契約解除ができなくなります。

🧩 じゃあ、数量や権利に関する不適合は？

👉 この通知期間の制限は適用されません。

👀 なぜ「数量」や「権利」には通知期間がないの？

✅ 理由1：すぐにわかることが多いから

• 数量：例えば「100個注文したのに90個しか届かない」などは、引渡しの時点で気づくことが多いです。
• 権利：たとえば「所有権が売主にない」「第三者の権利がついている」などは、契約時や登記などで確認されることが多い。

➡ だから「わざわざ通知期間を設ける必要がない」とされています。

✅ 理由2：「重要な問題」だから通知がなくても責任を問える

数量や権利に関する不適合は、契約の根幹に関わる問題です。

例えば「土地の所有権がない人から買ってしまった」なんていうのは、通知の有無にかかわらず売主が責任を負うべきです。

⚖️ つまり…

📦 具体例で確認！

▶ 数量不適合の例

• 契約内容：米100kgを10万円で購入
• 実際届いたのは80kg

✅ これは「数量の不適合」なので、1年以内の通知がなくても、差額分の代金減額や損害賠償が請求できます。

▶ 権利不適合の例

• 契約内容：AさんからBさんが土地を購入
• 実はその土地の所有権はAさんになかった（他人のものだった）

✅ これは「権利の不適合」なので、通知していなくても契約解除や損害賠償もできます。

🧾 試験対策ポイント

ポイント 内容

民法566条 種類・品質の不適合に1年の通知制限あり
数量・権利 通知制限なし（566条の適用外）
売主の悪意・重大過失 通知がなくても責任あり（566条ただし書）