1. 契約の成立(①〜⑤)
① 契約は「申込み+承諾」で成立(諾成契約)
例:
AさんがBさんに「このマンガ本、500円で買わない?」と聞いて、Bさんが「うん、買う」と言った時点で契約成立。
👉言葉だけで成立(=諾成契約)。物の引渡しはあとでもOK。
※「要物契約」=実際にモノの引渡しが必要な契約(例:消費貸借=お金の貸し借り)もあるよ。
② 承諾期間を定めた申込みは撤回できない
例:
Aさん「この自転車、1週間以内なら1万円で売るよ」→この間、Aさんは勝手に「やっぱ売らない」と言えない。
③ 期限内に返事がなければ、申込みは無効
例:
上の例で1週間たってもBさんが何も返事をしなければ、売るという話はなかったことになる。
④ 遅れて返事が来た場合=新しい申込み
例:
Bさんが「買う!」って2週間後に言ってきた場合、Aさんは「もう遅いけど、それならOK」と返事すれば契約成立。
👉 これは「遅延した承諾=新たな申込み」として扱う。
⑤ 条件付きの承諾=元の申込みは拒絶された扱い
例:
Aさん「1万円で売るよ」
Bさん「9000円なら買う」
→これは承諾じゃなく、新しい申込み。Aさんが「いいよ」と言えば契約成立。
2. 同時履行の抗弁権(⑥〜⑪)
⑥ 双務契約=お互いに義務がある契約
例:
AさんがBさんに「この靴を3000円で売る」と言った場合、
- Aは「靴を渡す」義務
- Bは「3000円払う」義務
→Bが「お金ない」と言ったら、Aは「じゃあ靴渡さない」と言える(これが同時履行の抗弁権)
⑦ 契約解除後の原状回復も「同時履行」
例:
AがBにPCを売ったが、Bが初期不良で解除した場合
→Aは「代金返す」、Bは「PC返す」
→どちらかが先に返す必要はなく、お互い同時に返す関係
⑧ 抗弁権は相手にだけ主張できる
例:
AがBと契約してるなら、Cさんに対して「同時履行の抗弁権がある」とは言えない。
⑨ 同時履行の抗弁権がある限り、履行しなくてもOK
例:
Bが先に払う気がないのに、Aが靴を渡す必要はない。
→この場合、Aが渡さなくても「債務不履行」にはならない。
⑩ 本来の給付を求めたいなら、履行の提供を続ける必要あり
例:
Bに「3000円払ってよ」と言いたいAは、自分の「靴を渡す意思」が継続していることを見せ続けなければいけない。
⑪ 契約を解除したい場合は、一度意思を示せばOK
例:
A「3000円払わないなら契約解除するぞ。こっちは靴を渡すつもりだったんだ」と一度だけ言えば解除OK。