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なぜ売掛金を“貸金債権”に?準消費貸借契約の意味とメリットをなんとなく解説

準消費貸借契約(じゅんしょうひたいしゃくけいやく)」に関する民法第588条の話で、ちょっとややこしい表現ですが、かんたんに言うと:

💡【言い換え】

「すでに“お金を払う約束”があるけど、それを“お金を借りたことにする”って改めて合意したら、それだけで借金契約が成立するよ」

🔍 たとえばこんな場面

■ 具体例:

AがBに10万円の商品を売って、代金を「後払い」にしていたとするよ。

でも、あとで2人が話し合って、

A「Bさん、この代金、商品代ってことにせず、10万円“貸した”ことにしておこうか」
B「いいですよ」

と合意すれば、「消費貸借契約」(つまりお金の貸し借りの契約)が成立したとみなされる。

🔁 なぜこんなことするの?

実務では、こんな目的で使われることがあるよ:

  • 元の債務の内容をハッキリさせたいとき(例:商品代金 → 金銭債務に一本化)
  • 時効の起算点をリセットしたいとき
  • 債務の承認を明文化したいとき

🧠 ポイントまとめ

用語意味
消費貸借契約お金やモノを借りて、後で同じ種類・量のモノで返す契約(お金の貸し借りなど)
準消費貸借契約すでにある支払い義務を、「借金した」という新しい契約に切り替える合意
諾成契約モノの受け渡しがなくても「口約束だけで成立する契約」(この契約はまさにそれ)

わかりづらい条文ですが、要するに「元々あった支払い義務を“借金”に切り替えると、それだけで借金契約になる」って話です💡

代金支払債権をわざわざ金を貸しただけ債権にする意味がわからない。結局請求するのは10万なのに
おっしゃる通り「結局請求するのは10万円」で変わらないのに、
なぜ「売買代金債権」→「貸金債権(準消費貸借)」にわざわざ変えるのか?
という疑問はまさに本質です。

✅ 準消費貸借にする3つの大きな理由

理由内容
① 債務の内容を明確化・一本化「複数の取引での未払金」などがあると、いつ・何の代金かがバラバラに。→「貸金」として一本化して整理できる。
② 時効をリセットできる売買代金債権の時効は5年(商事)だけど、準消費貸借にすると新たな契約=新たな時効がスタートする。
③ 債務の承認になる債務の存在や金額について争いを避けるため「10万円を借りた」と明文化しておく。裁判で有利。

🔍 たとえば…

AさんがBさんに複数回にわたって商品を売って、
合計10万円の未払いがたまっていたとします。

でもその内容は、

  • 3月:筆記用具 3万円
  • 4月:ノート 2万円
  • 5月:参考書 5万円

とバラバラで、「3月分はもう払った」「4月分の契約はなかった」と
Bが言い訳し始めたら裁判で面倒です。

でもこう言えば強い:

「じゃあこの合計10万円、借金という形にして書面作ろうか」
「はい、10万円借りました」

これで“貸金債務”が成立し、
売買代金の細かいやりとりを抜きにして請求しやすくなります。

✨まとめ:金額は同じでも「債権の質」が変わる

  • 売買代金債権は、内容に争いが出やすい・時効も古い
  • 準消費貸借債権にすれば、シンプルで、時効もリセット、証拠にもなる

必要がなければやらなくてもいいけど、
「債務をハッキリさせて、将来のトラブル回避したいとき」にはとても有効です👍

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