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不法原因給付とは?愛人・賭博・登記の例で解説【肢別問題】P804

🔍 不法原因給付(民法708条):解説&具体例

 不法原因給付とは?

👉 簡単に言えば、「道徳的にアウトな目的で渡したお金や財産は、あとから『返せ!』と言えないよ」というルール。

たとえば、

  • 不倫関係を維持したいから高価な贈り物をした
  • 賭博に負けて支払った
    などが典型例です。

【10】愛人関係を維持するために未登記建物を贈与 → 返してもらえる?

返してもらえません!

  • AがBとの愛人関係を維持するために、登記していない建物を贈与し、引き渡した。
  • これは「公序良俗に反する目的」であり、民法90条&708条が適用されます。
  • 未登記でも引渡しがあれば「給付」が成立(最判昭45.10.21)。
  • 結果:AはBに対して返還請求できません。

🟡例:
既婚者のAが愛人Bに「別れないでほしい」と未登記の建物をプレゼント → 後で返せとは言えない。


【11】登記されてないなら登記請求を拒める?

拒めます!

  • AはBに甲建物を贈与したが、まだ登記は移転していない。
  • この時点では「給付」は成立していない=Bはまだ登記請求する権利はない。
  • Aは移転登記を拒める(最判昭46.10.28)。

🟡例:
「愛人にあげる」と言って家を引き渡したけど、登記してない → 愛人が「登記して」と言ってきても拒否OK。


【12】賭博で負けて骨董品を渡した → 後で「返す約束」したら?

返してもらえます!

  • 民法708条で禁止されるのは「不法原因での給付の返還請求」。
  • でも、あとで合意して「やっぱり返すね」と決めた場合は返還請求OK(最判昭28.1.22)。

🟡例:
Aが賭博で負けてBに骨董品を渡した → その後「やっぱ返すよ」とBが約束した → Aは返してもらえる。


【13】未登記建物を不倫相手に引き渡し → 後から登記して返してと言える?

言えません!

  • 建物の引渡しで所有権がすでに移ってしまっており、あとから登記しても無効。
  • 不法原因給付に該当するので、AはBに返還請求できない(最判昭45.10.21)。

🟡例:
不倫相手に家を渡してから「やっぱ返して」と言って登記した → もう遅い!登記しても意味なし。


📝 まとめ

問題番号状況概要結論ポイント
10愛人関係維持のため未登記建物を贈与❌返還請求できない公序良俗違反+給付成立(引渡済)
11登記なしの贈与 → 登記請求された✅拒否できる登記してなければ給付未成立
12賭博負けて骨董品渡した→返還の特約✅返還請求できるその後の合意で新たな契約成立
13未登記建物を引渡し→後から登記❌返還請求できない引渡しで所有権移転済、登記は無効

内部リンク:不法原因給付別解説

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