📘問題14:通行人DはCに損害賠償請求できる?
❌誤り
建売住宅にCの手抜き工事による欠陥があり、通行人Dがケガをした場合、DはCに契約不適合責任に基づく損害賠償請求ができる。
ポイント
契約不適合責任はあくまで契約当事者間の問題。
通行人Dと工務店Cには契約関係がありません。
✅正しくは?
Dが請求できるのは契約責任ではなく「不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)」です。
💡具体例
Aさん(買主)が不動産会社Bから家を買ったら、施工を担当したC工務店の手抜き工事でベランダが崩れ、通行人Dがケガ。
→Dは工務店Cに対し「安全配慮義務違反による不法行為」で訴えることができますが、「契約違反による損害賠償請求」はできません。
📘問題15:10年以上経って不適合を発見!損害賠償請求できる?
✅正しい
Aから土地を買ったBが、10年以上後に不適合を発見しAに通知した。損害賠償請求したが、Aは消滅時効を援用できる。
ポイント
契約不適合責任に基づく損害賠償請求には**消滅時効(原則10年)**が適用されます。
💡具体例
2000年にBさんがAから土地を購入し、2012年に不具合(地中に廃材など)を発見。
→通知はしても、2025年現在では「引渡しから10年以上」経っているため、Aは時効を主張して支払いを拒めます。
📘問題16:不適合を見つけたら1年以内に通知すればOK?
✅正しい
品質に関する契約不適合を見つけた場合、1年以内に売主に通知すれば損害賠償請求等は可能。
ポイント
民法566条:種類・品質の不適合は、「知った時から1年以内」に通知しないと請求できません。
ただし、売主が悪意・重過失なら、この制限はかかりません。
💡具体例
Bさんが2024年に買った家に、2025年1月に雨漏りが見つかった。→この場合、2026年1月までに通知すればOK。
📘問題17:土地の面積が多かったから追加請求していい?
❌誤り
指示された数量よりも土地が多かった場合、売主は追加代金を請求できる。
ポイント
数量指示売買では、合意がない限り追加代金の請求は不可です(最判平成13年11月27日)。
💡具体例
Aさんが「100㎡の土地を1000万円で買う契約」。実際には110㎡だった。
→売主Bは勝手に1100万円にできません。買主が納得していた場合のみ、追加請求可能。
📘問題18:所有権が足りなかった!通知しないと請求できない?
❌誤り
所有権が欠けていたことを知った1年以内に通知しないと、代金減額請求できない。
ポイント
種類・品質の不適合には1年ルールがありますが、数量や権利の不適合には適用されません。
→これらは通常の消滅時効(知ってから5年・引渡しから10年)で判断します。
💡具体例
AさんがBから土地を買ったが、一部が他人Cの土地だった。→Aは気づいてすぐでなくても、5年以内に請求できる。
✅まとめ表
問題 | 正誤 | ポイント | 補足 |
---|---|---|---|
14 | × | 契約当事者でないDは契約責任を問えない | 不法行為なら可 |
15 | ○ | 消滅時効10年で請求不可 | 通知しても時効援用OK |
16 | ○ | 品質不適合は通知から1年以内 | 売主悪意なら例外 |
17 | × | 数量超過は合意なければ追加請求不可 | 最判あり |
18 | × | 所有権の不適合は1年制限なし | 通常の時効で判断 |