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契約不適合と時効・通知義務の重要ポイントを解説【行政書士民法|肢別問題【P758】

📘問題14:通行人DはCに損害賠償請求できる?

❌誤り

建売住宅にCの手抜き工事による欠陥があり、通行人Dがケガをした場合、DはCに契約不適合責任に基づく損害賠償請求ができる。

ポイント

契約不適合責任はあくまで契約当事者間の問題
通行人Dと工務店Cには契約関係がありません。

✅正しくは?

Dが請求できるのは契約責任ではなく「不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)」です。

💡具体例

Aさん(買主)が不動産会社Bから家を買ったら、施工を担当したC工務店の手抜き工事でベランダが崩れ、通行人Dがケガ。
→Dは工務店Cに対し「安全配慮義務違反による不法行為」で訴えることができますが、「契約違反による損害賠償請求」はできません。


📘問題15:10年以上経って不適合を発見!損害賠償請求できる?

✅正しい

Aから土地を買ったBが、10年以上後に不適合を発見しAに通知した。損害賠償請求したが、Aは消滅時効を援用できる。

ポイント

契約不適合責任に基づく損害賠償請求には**消滅時効(原則10年)**が適用されます。

💡具体例

2000年にBさんがAから土地を購入し、2012年に不具合(地中に廃材など)を発見。
→通知はしても、2025年現在では「引渡しから10年以上」経っているため、Aは時効を主張して支払いを拒めます。

📘問題16:不適合を見つけたら1年以内に通知すればOK?

✅正しい

品質に関する契約不適合を見つけた場合、1年以内に売主に通知すれば損害賠償請求等は可能。

ポイント

民法566条:種類・品質の不適合は、「知った時から1年以内」に通知しないと請求できません。
ただし、売主が悪意・重過失なら、この制限はかかりません。

💡具体例

Bさんが2024年に買った家に、2025年1月に雨漏りが見つかった。→この場合、2026年1月までに通知すればOK。

📘問題17:土地の面積が多かったから追加請求していい?

❌誤り

指示された数量よりも土地が多かった場合、売主は追加代金を請求できる。

ポイント

数量指示売買では、合意がない限り追加代金の請求は不可です(最判平成13年11月27日)。

💡具体例

Aさんが「100㎡の土地を1000万円で買う契約」。実際には110㎡だった。
→売主Bは勝手に1100万円にできません。買主が納得していた場合のみ、追加請求可能。


📘問題18:所有権が足りなかった!通知しないと請求できない?

❌誤り

所有権が欠けていたことを知った1年以内に通知しないと、代金減額請求できない。

ポイント

種類・品質の不適合には1年ルールがありますが、数量や権利の不適合には適用されません
→これらは通常の消滅時効(知ってから5年・引渡しから10年)で判断します。

💡具体例

AさんがBから土地を買ったが、一部が他人Cの土地だった。→Aは気づいてすぐでなくても、5年以内に請求できる。

✅まとめ表

問題正誤ポイント補足
14×契約当事者でないDは契約責任を問えない不法行為なら可
15消滅時効10年で請求不可通知しても時効援用OK
16品質不適合は通知から1年以内売主悪意なら例外
17×数量超過は合意なければ追加請求不可最判あり
18×所有権の不適合は1年制限なし通常の時効で判断

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