抵当権者は建物も競売できる?その代金から回収できる?
📌 結論:建物も競売できるが、優先弁済は「土地の代金」からだけ!
🧾 条文:民法389条1項
「抵当権は、その目的である不動産とともにその上に存する従たる不動産についても、一括してその実行をすることができる。ただし、従たる不動産の代金については、抵当権者は優先弁済を受けることができない。」
💡具体例で解説
例:
- Bが「甲土地(更地)」を所有
- A銀行が甲土地に抵当権を設定(住宅ローンなど)
- その後、Bが土地に乙建物を新築(所有者もB)
🏦 A銀行の立場はどうなる?
処理内容 | 結果 |
---|---|
抵当権の実行(競売) | 土地+建物をセットで競売できる(一括競売) |
優先弁済を受けられる対象 | 土地の代金だけ!建物の代金からは優先回収できない |
🤔 なぜこうなるの?
- 抵当権は、設定当時の土地だけを担保として把握している。
- 建物は後からBが勝手に建てたものであり、銀行が担保評価に入れていない。
- にもかかわらず、建物も競売できるのは「一括競売」による手続き簡略化のため。
- でも、建物の代金からまでお金を取れたら不公平だよね?→そこで「優先弁済NG」。
💥 よくある誤解
Q:「え?建物も競売できるのに、建物代金からも取れるんじゃないの?」
→ それはダメ!
抵当権は土地にしか設定されていないため、建物代金には権利が及ばないのです。
✅ ポイントまとめ
項目 | ポイント |
---|---|
抵当権設定後に建物築造 | 一括競売はOK |
優先弁済の範囲 | 土地の代金だけ |
法的根拠 | 民法389条1項 ただし書 |