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法定地上権とは

法定地上権とは?小学生でもわかる解説 | 行政書士の道

法定地上権とは?小学生でもわかる解説

行政書士試験頻出 物権 地上権 法定地上権 民法

法定地上権とは:建物が建っている土地と建物が別々の人のものになった時に、建物を使い続けられるようにするための特別なルールだよ。

1. お話で理解する法定地上権

マサくんとリカちゃんのお城の物語

マサくんは、友だちのリカちゃんの机の上に、ブロックでお城を作りました。マサくんのお城はとても立派で、みんなに自慢のお城です。

ある日、リカちゃんが「この机は私のものだから、お城を取り壊して」と言いました。マサくんは「でも、このお城は僕が作ったんだよ。壊したくないな」と困ってしまいました。

そこで先生が「リカちゃんの机の上にマサくんのお城があるけど、お城を壊さなくてもいい方法があるよ。マサくんは、リカちゃんの机を借りる権利をもらえるんだ。だからお城は残せるよ。でも、机を使わせてもらうお礼として、リカちゃんにちょっとだけお小遣いをあげないといけないね」と教えてくれました。

これが法定地上権のようなものです。土地(机)の上に建物(お城)があるとき、土地と建物の持ち主が別々になっても、建物を使い続けられるように法律で守られる権利なんです。

マサくんのお城とリカちゃんの机
マサくんのお城とリカちゃんの机のイラスト
図1: マサくんのお城とリカちゃんの机で理解する法定地上権

2. 法定地上権の基本

法定地上権は、法律が作った特別な「土地を使う権利」だよ。自分で契約しなくても、ある条件が揃うと自動的に生まれる権利なんだ。

どんな時に生まれるかというと、次のような時だよ:

  • 同じ人が持っていた土地と建物が別々の人のものになった時
  • 銀行からお金を借りて返せなくなり、家が競売(けいばい)になった時

この権利があると、建物の持ち主は土地の持ち主に少しお金を払って、その土地を使い続けることができるんだ。

法律的解説: 法定地上権とは、民法第388条および第389条に規定された法定の権利で、抵当権の実行や強制執行などにより土地と建物の所有者が分離した場合に、建物を保護するために法律上当然に発生する地上権のことです。

3. どんな時に法定地上権が生まれるの?

法定地上権が生まれる3つのケース
法定地上権が生まれる3つのケース
図2: 法定地上権が発生する主な3つのケース

法定地上権が生まれるのは、次のような時だよ:

①お金を借りた時のケース
田中さんが銀行からお金を借りる時に、自分の土地と建物を「担保」(返せなくなったら売ってもいいよという約束)にしました。お金が返せなくなり、土地と建物が競売(オークションみたいなもの)で売られました。その結果、土地は佐藤さん、建物は鈴木さんのものになりました。このとき、建物の持ち主・鈴木さんは土地を使う権利(法定地上権)を持つことになります。

②土地だけに担保をつけたケース
山田さんは自分の土地に家を建てました。その後、銀行からお金を借りるために土地だけを担保にしました。お金が返せなくなり、土地だけが競売にかけられ、別の人のものになりました。このとき、山田さんは家の持ち主として、土地を使い続ける権利(法定地上権)を持ちます。

4. 具体例で考えてみよう

【小学生向け具体例】田中さんと佐藤さんのケース

最初の状態:
田中さんは自分の土地に家を建てて住んでいました。

お金を借りる:
田中さんは銀行から1000万円借りました。もし返せなくなったら、土地と家を売ってもいいという約束(抵当権)をしました。

返せなくなった:
田中さんはお金を返せなくなりました。

競売(けいばい)になった:
裁判所が土地と家を売ることにしました。

別々の人が買った:
佐藤さんが土地を、鈴木さんが家を買いました。

法定地上権の登場:
鈴木さんは家の持ち主として、佐藤さんの土地を使う権利(法定地上権)を自動的に持つことになりました。ただし、土地を使うためのお金(地代)を佐藤さんに支払わなければなりません。

5. なぜ法定地上権は大切なの?

法定地上権がなかったらどうなると思う?

例えば、お金を借りたままお家が売られた時に、建物だけ買った人は「土地が使えないから建物を壊さなきゃいけない」ということになっちゃう。それって、もったいないよね?

法定地上権があると:

  • 建物をむだに壊さなくていいから、みんなのためになるよ
  • 建物を買った人は安心して住み続けられるよ
  • 土地の持ち主もお金(地代)をもらえるから、困らないよ

つまり、法定地上権は、土地と建物が別々の人のものになっても、みんなが困らないようにする「優しいルール」なんだ。

法定地上権がない場合
法定地上権がない場合
法定地上権がある場合
法定地上権がある場合

6. 難しい言葉の説明

法定地上権に関する難しい言葉

  • 地上権(ちじょうけん):他人の土地の上に建物を建てたり、植物を植えたりする権利のこと。
  • 抵当権(ていとうけん):お金を借りる時に、家や土地を担保にする権利のこと。もし借りたお金を返せなくなったら、その家や土地を売ってお金に換えることができる。
  • 競売(けいばい):裁判所が物を売って、一番高い値段をつけた人に売り渡すこと。
  • 担保(たんぽ):お金を借りる時に「もし返せなくなったら、これを売っていいよ」という保証として差し出す物のこと。
  • 地代(ちだい):土地を使わせてもらう代わりに支払うお金のこと。
  • 強制執行(きょうせいしっこう):裁判所の命令で、強制的に財産を売ったりすること。
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