今回は、行政書士試験の民法から「権利能力なき社団」「土地と建物の売買」「賭博契約の無効」に関する判例や条文のポイントをまとめていきます✨
意外と盲点になりやすい「構成員の責任」や「登記名義の取扱い」もチェックしておきましょう!
権利能力なき社団とは?
✅ 定義
法人格を持たないが、一定の目的と組織をもって継続的に活動する団体のことです。
例)同窓会、任意団体、町内会など。
1.構成員は持分をもつ?
❌持ちません!(最判昭32.11.14)
構成員A・B・C・Dが作った「X会」が社団財産を持っていても、それぞれが持分権を主張したり、分割請求することはできません。
📌 キーワード:総有関係
→ 誰のものともいえない、共同体のもの。
2.不動産の登記はX会名義でできる?
❌できません!(最判昭47.6.2)
「権利能力なき社団」は、法律上の権利義務の主体になれません。
したがって、不動産登記は「X会名義」ではできないんです。
✅ 代替手段
- 代表者の個人名義
- 構成員全員の共有名義
3.構成員は債務に責任を負う?
❌負いません!(最判昭48.10.9)
X会の代表者が契約しても、それで生じた債務について構成員個人が相手方に対して責任を負うことはありません。
🏡 1.土地と建物の売買はセット?
❌セットじゃなくてもOK!(民法370条)
土地と建物はそれぞれ独立した不動産なので、土地を自分で持ったまま、建物だけ売ることも可能です。
これは実務上よくある「借地権付き建物」の話にも関係します。
🎲 1.賭博と知ってお金を貸したら?
❌無効!(大判昭13.3.30)
「競馬でスったから金貸して」と言われて貸すのは、**公序良俗違反(民法90条)**で無効になる可能性があります。
→ 貸主は返してもらえないこともあるので注意!
✅ 最後にまとめ表📋
論点 | 正誤 | 判例・条文 | ポイント解説 |
---|---|---|---|
権利能力なき社団の構成員は持分権を持つか? | ❌ | 最判昭32.11.14 | 持分権なし=総有関係。分割請求も不可。 |
権利能力なき社団の名で不動産登記できる? | ❌ | 最判昭47.6.2 | 団体名義はNG。代表者or構成員共有名義で登記。 |
構成員が社団の債務に個人的に責任を負う? | ❌ | 最判昭48.10.9 | 債務は社団単位で負担。構成員は個人責任なし。 |
土地と建物を別々に売れる? | ✅ | 民法370条 | 土地建物は独立した不動産。個別売買可能。 |
賭博と知ってお金を貸した場合は? | ❌ | 大判昭13.3.30 | 公序良俗違反で無効。返済請求は困難。 |
🎯 試験対策ポイント
- 「権利能力なき社団」は法人と違って、構成員に直接の責任が生じない点が特に狙われます。
- 登記の取扱いや、債務の帰属には要注意!
- 賭博関連は「知っていたかどうか」がカギになります。
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