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🚢失踪宣告とは?7年で死亡?それとも1年?【行政書士試験対策】P540

行方不明者が長期間生死不明の場合、「法律上死亡とみなす制度」があります。これが「失踪宣告」です。
一見すると単純そうですが、「普通失踪」「特別失踪」という区別があり、民法上の細かいルールを知らないと簡単に間違えてしまいます。

行政書士試験でもよく出題されるポイントなので、この記事でバッチリ整理しましょう!

✅ そもそも失踪宣告とは?

失踪宣告とは、家庭裁判所が「この人は死亡したものとみなします」と法的に判断する制度です。
これにより、相続や保険金請求、婚姻関係の整理などがスムーズに進められます。

🔍 普通失踪と特別失踪の違いは?

種類状況必要期間みなし死亡時点条文
普通失踪単に行方不明になっただけ7年間7年経過時点民法30条1項、31条
特別失踪戦争、海難、災害など命の危険がある状況に遭遇危難が去ってから1年間危難が去ったとき民法30条2項、31条

💡ポイントは「みなされる死亡時点」

  • 普通失踪 → 行方不明から7年経過時点で死亡とみなす。
  • 特別失踪 → 危難(戦争や沈没など)が「去った時点」で死亡とみなす。7年じゃない!

⭐️失踪宣告後に本人が戻ってきたら?

民法32条により、「生存が証明されれば、失踪宣告は取り消される」ことになっています。

ただし!次の点に注意:

  • 失踪宣告とその取消しの間に、**善意でした法律行為(相続・再婚など)**は有効です。
  • 婚姻関係は、新しい配偶者が善意だったかどうかで扱いが変わります。

✅ 不在者・失踪宣告に関する肢別問題 解説表

番号正誤内容の要約根拠条文・判例解説ポイント
2不在者が自分で管理人を選任 → 生死不明なら利害関係人・検察官が改任請求できる民法26条2項管理人は本人が選任しても、生死が不明な場合は家庭裁判所の関与で改任可能。
37年間生死不明なら、家庭裁判所が失踪宣告できる。死亡したと「みなされる」のは7年満了時民法30条1項、31条普通失踪では「失踪から7年経過=死亡とみなす」。遡及効ではなく、「みなし死亡」時点が明確。
4船の沈没事故(特別失踪)は「1年」→「事故時に死亡とみなす」民法30条2項、31条危難時失踪(特別失踪)は、危難が去ってから1年で失踪宣告。事故から7年ではない。
5失踪宣告は「死亡みなし」だが、権利能力は消滅しない。取消し前の善意の行為は有効民法31条、32条1項権利能力喪失ではなく、「死亡したとみなす」にすぎない。善意第三者保護のため取消し前行為は原則有効。
6生存が判明しても、自動で婚姻が無効にはならない。善意・悪意で婚姻関係の判断が変わる民法732条、744条、770条1項5号、32条Aの生存を知らなかった(善意)場合は、後婚が有効。悪意なら重婚状態になり、取消や離婚事由に。

💡補足解説(全体)

  • 普通失踪と特別失踪の違いを正しく押さえることがカギ。
  • **「みなし死亡」≠「権利能力喪失」**なので、法的効果の違いに注意。
  • 婚姻関係は当事者の「善意・悪意」で法的評価が変わるので、状況判断が重要。
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