1 代理商の定義・特徴
①
代理商とは、自己の名をもって他人のために物品の販売または買入れの代理または媒介をなすことを業とする者
(商法48条)
②
代理と媒介の両方を含む概念
③
自己の名をもって行うため、相手方から見れば契約当事者として見える
2 代理商の義務
競業避止義務
①
代理商は承諾を得なければ、同種の商品について他の業者の代理商になれない
(商法52条1項)
②
代理商は承諾を得なければ、自己の計算において同種の商品の販売・買入れはできない
(商法52条2項)
報告義務
①
代理商は遅滞なく、その委託者に対し代理または媒介をした契約締結の通知をしなければならない
(商法53条)
3 代理商の権利
手数料請求権
①
代理商は委託者に対して手数料を請求することができる
(商法49条)
②
媒介の場合も代理商が契約成立に寄与していれば手数料請求権が発生
費用償還請求権
①
代理商は委託者の指示により特別の費用を要したときは、その償還および利息の支払いを請求できる
(商法50条)
4 代理商契約の終了
契約終了の通知義務
①
委託者は代理商契約を終了したときは、遅滞なく、その取引の相手方に通知しなければならない
(商法54条1項)
②
通知を怠った場合、委託者は善意の第三者に対して責任を負う
(商法54条2項)
制限の効力継続
①
代理商契約終了後も、競業避止義務は2年間継続する
(商法55条)
5 問屋との違い
項目 | 代理商 | 問屋 |
---|---|---|
名義 | 自己の名 | 自己の名 |
計算 | 他人の計算 | 自己の計算 |
業務内容 | 代理・媒介 | 売買 |
対価 | 手数料 | 売買差益 |
6 試験対策重要ポイント
🎯 頻出ポイント
• 競業避止義務の内容と承諾の必要性
• 契約終了後の2年間の競業制限
• 問屋との区別(計算の主体)
• 契約終了時の通知義務と善意の第三者保護
💡 覚え方のコツ
• 「自己の名で他人の計算」が代理商の特徴
• 問屋は「自己の名で自己の計算」で区別
• 競業避止は契約中+終了後2年の期間制限
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