「持病があるから保険に入れない…」とあきらめていませんか?実は、病歴があっても加入できる保険は存在します。ただし、一般的な保険とは異なる選び方や申込み方が必要です。この記事では、持病がある方が医療保険に入るための具体的な方法や、審査に通りやすい保険の選び方を徹底解説します。
目次
- 持病があると保険加入はどうなる?
- 持病があっても入れる保険の種類
- 審査に通りやすい保険会社の選び方
- 告知のコツと注意点
- 持病別・加入しやすい保険の特徴
- 条件付き加入とは
- 持病があっても後悔しない保険選びのポイント
- よくある質問
持病があると保険加入はどうなる?
持病がある場合、保険加入時の審査(引受査定)に影響が出ることがあります。保険会社は健康状態に応じてリスク判断を行い、以下のいずれかの対応となります。
審査結果のパターン
- 無条件承諾:通常通り加入できる(軽度な症状や完治して時間が経過している場合)
- 条件付き承諾:特定疾病除外や保険料割増などの条件付きで加入できる
- 加入謝絶:加入できない
持病が審査に影響する理由
保険は多数の健康な人と病気の人のリスクを分散させる仕組みです。持病があると将来的に医療機関を利用する可能性が高まるため、保険会社は慎重な審査を行います。ただし、近年は持病がある方でも加入できる商品が増えてきています。
持病があっても入れる保険の種類
1. 引受基準緩和型保険
- 特徴:告知項目が少なく、多くの持病があっても加入しやすい
- メリット:持病があってもほぼ確実に加入できる
- デメリット:保険料が割高、給付金額が低め、待機期間あり(通常1〜2年)
- 向いている人:複数の持病がある方、他の保険で断られた経験がある方
2. 無選択型保険
- 特徴:健康状態の告知が不要で、誰でも加入できる
- メリット:告知不要で確実に加入できる
- デメリット:保険料が非常に高い、保障内容が限定的、待機期間が長い
- 向いている人:重い持病がある方、余命宣告を受けた方
3. 団体保険(勤務先や組合の保険)
- 特徴:勤務先や組合を通じて加入する保険
- メリット:個人審査が緩いか不要、割安な保険料
- デメリット:退職すると継続できないことが多い、保障内容の選択肢が少ない
- 向いている人:会社員や特定の組合に所属している方
4. 持病に配慮した通常の医療保険
- 特徴:特定の疾病に対して審査基準を緩和している通常の医療保険
- メリット:保障内容が充実、条件次第で割安な保険料
- デメリット:持病の種類や状態によっては加入できない
- 向いている人:軽度の持病や完治してから一定期間経過している方
審査に通りやすい保険会社の選び方
1. 各社の引受基準を比較する
保険会社によって、特定の疾病に対する審査基準は異なります。例えば、A社では高血圧で断られたケースでもB社では加入できることがあります。
2. 専門の保険代理店に相談する
複数の保険会社を扱う代理店、特に持病がある方の保険相談に強い代理店に相談することで、審査に通りやすい保険会社を紹介してもらえます。
3. ネット申込みと対面申込みの使い分け
- ネット申込み:審査基準が明確で厳格なことが多い
- 対面申込み:担当者が症状の詳細を聞き取り、持病の状態を正確に保険会社に伝えることができる
4. 審査に通りやすい会社の特徴
- 引受基準緩和型商品を多く取り扱っている
- 条件付き承諾(特定疾病不担保など)の選択肢が豊富
- ネット上で引受基準を公開している
- 持病がある方向けの相談窓口を設けている
告知のコツと注意点
告知義務について
保険加入時には、過去の病歴や現在の健康状態を正確に伝える「告知義務」があります。虚偽の告知は契約解除や給付金不払いの原因となるため、必ず正直に告知しましょう。
正しい告知のコツ
- 事実を正確に伝える:症状の程度や治療状況を曖昧にせず、医師の診断に基づいて伝える
- 直近の検査結果を確認:血圧値や血糖値など、直近の数値を正確に伝える
- 服薬状況を正確に:服薬の有無、薬の名前、服用期間を伝える
- 完治している場合はその旨を伝える:完治後の経過期間も重要な情報
告知の注意点
- 告知書に記載されていない内容でも、審査に影響する可能性がある重要事項は伝える
- 「念のための受診」であっても、医師の診察を受けた事実は告知する
- 健康診断で指摘された異常も告知対象となる
- 告知義務違反の時効は通常2年だが、詐欺による契約は5年または無期限の場合もある
持病別・加入しやすい保険の特徴
高血圧の場合
- 数値が安定していれば通常の保険に加入できるケースが多い
- 基準値:収縮期血圧150mmHg未満、拡張期血圧90mmHg未満が目安
- 合併症がなければ条件付き承諾の可能性が高い
糖尿病の場合
- 2型糖尿病で食事療法のみの場合は加入できる可能性あり
- HbA1c値が7.0%未満であれば審査通過の可能性が高まる
- インスリン治療中の場合は引受基準緩和型保険が適している
心疾患の場合
- 軽度の不整脈は通常保険に加入できることが多い
- 心筋梗塞や狭心症の既往がある場合は、発症から5年以上経過していれば条件付き承諾の可能性あり
- 重度の場合は引受基準緩和型か無選択型保険を検討
がん既往歴がある場合
- 完治後5年以上経過していれば、通常保険への加入可能性が高まる
- ステージや治療内容によって審査結果が大きく異なる
- がん保険特約を除外した条件での加入提案がされることが多い
精神疾患の場合
- うつ病や不安障害の場合、症状が安定していれば加入できるケースがある
- 統合失調症などの場合は引受基準緩和型保険が適している
- 投薬内容や入院歴によって審査結果が変わる
条件付き加入とは
特定疾病不担保とは
持病やその関連疾患について保障対象外とする条件で加入を認める方式です。例えば、糖尿病がある場合、糖尿病とその合併症(網膜症、腎症など)が保障対象外となります。
メリット・デメリット
- メリット:通常より加入しやすい、持病と関係ない疾患は保障される、保険料が標準的
- デメリット:持病関連の入院・手術が保障されない、合併症の範囲が広いケースがある
保険料割増とは
標準的な保険料に一定の割増率(10%〜100%程度)を上乗せして加入を認める方式です。
特約制限とは
特定の特約(三大疾病特約など)を付けずに加入を認める方式です。基本の入院給付金などは通常通り受け取れます。
持病があっても後悔しない保険選びのポイント
1. 優先すべき保障を明確にする
持病があると理想的な保険に入れないケースもあります。そのため、特に重視する保障(入院、手術、先進医療など)に優先順位をつけることが大切です。
2. 現実的な保障額を設定する
持病があっても加入できる保険は、保障内容や保険金額に制限がある場合が多いです。「入れる保険」と「理想の保障」のバランスを考えましょう。
3. 複数の保険を組み合わせる
1つの保険ですべてをカバーするのではなく、複数の保険を組み合わせる「分散加入」も検討しましょう。
例:引受基準緩和型の医療保険+通常の特約+団体保険
4. 貯蓄との併用を考える
保険だけに頼らず、緊急時の医療費に備えた貯蓄も同時に行うことで、保障の不足分をカバーできます。
5. 定期的な見直しを行う
持病の状態が改善したり、一定期間経過したりすると、加入できる保険の選択肢が広がることがあります。1〜3年ごとに見直しを検討しましょう。
よくある質問
Q1: 告知で持病を隠すとどうなりますか?
A: 告知義務違反として、保険金・給付金が支払われないだけでなく、契約解除となる可能性が高いです。最悪の場合、詐欺罪に問われることもあります。必ず正直に告知しましょう。
Q2: 通院していない持病も告知する必要がありますか?
A: はい、必要です。現在通院していなくても、過去に診断された疾病や服薬歴は、告知書の質問に該当する期間内であれば告知する必要があります。
Q3: 引受基準緩和型保険と無選択型保険の違いは何ですか?
A: 引受基準緩和型保険は簡易な告知があり、無選択型保険は告知が不要です。無選択型の方が確実に加入できますが、保険料が高額で保障も限定的です。
Q4: 持病があっても保険料を安くする方法はありますか?
A: 以下の方法が考えられます:
- 複数の保険会社を比較する
- 保障を必要最低限に絞る
- 入院日額を低めに設定する
- 特約を厳選する
- 健康状態の改善に努める(血圧・血糖値の改善など)
Q5: 持病が完治したら、新しい保険に入り直した方がいいですか?
A: 完治から一定期間(疾病により異なるが多くは2〜5年)経過すると、通常の保険に加入できる可能性が高まります。ただし、既存の保険を解約する前に、新しい保険の加入可否を確認することが重要です。
Q6: 持病があると、入院日数制限はより厳しくなりますか?
A: 引受基準緩和型保険では、通常の保険より入院日数制限が厳しいケースがあります。例えば、1回の入院が60日までといった制限や、同一疾病での再入院に対する制限などが設けられていることがあります。
Q7: 子どもの持病の場合はどうすればいいですか?
A: 子どもの場合も基本的な考え方は同じですが、成長とともに症状が改善する可能性もあります。まずは引受基準緩和型保険に加入し、状態が改善した後に通常の保険への加入を検討する二段階戦略も有効です。
まとめ
持病があっても、保険に入れないわけではありません。ただし、自分の健康状態を正確に把握し、保険会社の審査基準を理解した上で、現実的な選択をすることが大切です。
持病がある方の保険選びのポイントを整理すると:
- 自分の持病の状態を正確に把握する
- 最新の検査結果や治療状況を確認
- 医師から見た症状の重症度を理解
- 複数の保険会社や商品を比較する
- 引受基準は会社によって異なる
- 専門家のアドバイスを積極的に活用
- 正直に告知し、条件付き加入も検討する
- 告知内容に嘘や誤りがないように注意
- 特定疾病不担保などの条件付き加入も選択肢に
- 引受基準緩和型保険は最後の選択肢として
- 通常の保険に入れない場合の安全網として検討
- 保障内容と保険料のバランスを確認
持病があっても諦めずに、自分に合った保険を探してみましょう。近年は選択肢が増えており、適切な知識と準備があれば、安心できる保障を手に入れることができます。
メタディスクリプション:
持病があっても入れる医療保険の選び方を徹底解説。引受基準緩和型保険や告知のコツ、持病別の加入しやすい保険会社の特徴など、審査に通るための実践的なアドバイスをご紹介します。